セミが鳴きだしたバンコクで、衣食住、租庸調、調教師と馬房から毎朝、うちの厩舎の看板馬「メジロドーベル」を引っ張りだし、引き運動から始まり、大嫌いな坂路に入れるのだが、大概ぐずるので、調教師の僕が後ろに回って背中を押して登坂するのである。
この常夏の国の人は、歩くことを嫌がる。歩かしたところで、超のつくスローペースになるので、せっかちで、いらちで、一足飛びばかり考えている僕は、掛かりっぱなしである。
どうやら、年がら年中この国は暑いので、ゆっくり歩いて疲れを防ぐらしいが、僕は、このペースだと前を歩く人にすぐ追いついて、行き場がなくなり、ケツベタになり、いつも気持ち悪がられる。
しかも、僕ってけっこう不細工なんですよねぇ~。それを先日ものすごく感じまして、びっくり。欠片ぐらいカッコよさがあるものだと思って生きて来ましたが、とんでもない勘違いだと、はっきり気付いたヌルピョン選手の東南アジアで、
「あちゃ~!」
日記でございます。
今週は28日日曜日に天皇賞が行われるので、ずっとウキウキしていたが週末、突然体調を崩してしまった。
暑い暑い国に住んでいるのに、寒い寒いのである。
悪寒がハイペースで走り回り、ベッドの中で折り合いをつけて、友人から拝借しているタイの歴史本を読破してやろうと思っているのに、ヌルピョン厩舎関係者が、
「薬、飲まないといけないから、ご飯食べないと!」
と言い寄ってくる。
僕は、こう考える。
「今は、カラダが食物を欲していないし、薬も頓服のように急激に効果の表れるのを飲むと、快方に結果、時間がかかるし、自然治癒力を登用したい。」
が、ここはタイ、タイ人の言うことを聞いてことを済まそうと決意。
も、注意しなければならないことが、風邪をひいてた時の食事こそ、もう日本食以外無理である。
ただでさえ食欲がないのに、パクチ入りのボイル豚ミンチが入ったおかゆなど、どうやって食べろと言うんだろう。
1口も無理で、半口で完食宣言したいものだ。
僕は、
「果物以外は喉を通らない!」
と訴えるも、厩舎関係者は、
「それでは、薬が飲めないだろう!」
と弾劾してくる。
また、まんの悪いことに、ただ今、我が厩舎が窮状よろしくないので、家財をドーベルの故郷ペッカセムファーム方面に処分に出向いていたので、ペッカセムファームでも静養する日があり、入れ替わり立ち替わり厩舎関係者が現われては、
「これを食べて、これを飲めと!」
と促進してくる。
かまっていただくのは、ほんとにありがたいことだが、その反面、
「いや、そっとしておいておくれやす。」
と言う気持ちも満々ある。
が、どうやら僕は、この家族から家族構成員の1人として、もうエントリーされているようだ。
その後、バンコクに帰還するも、
「電話で、フジの症状はどうだ?」
と気遣って来てくれている。
ありがたいよ。何回も言うようだけど、ほんとにありがたいよ。
ただ、この国の人、下痢のときはパン食べたら治るとか、
このたとえはカワイイよ、下痢で水ウンチになってる状態をパンを食べて、それに水分含ませて治すって。
でも食中毒、炭酸飲料飲んだら治るとか、それもペプシがいいだの、ミリンダの緑がいいだの、1番いいのはスプライトだのと、そんな都市伝説のようなものがガチンコで信じられてるのである。
そんな人たち、どこまで信じればいいんだろう?
タイで何かするとき、例えば会社設立などするとき必ず、彼らタイ人と組まなければ、何も出来ない。そんな足枷が存在するのです。
昔、満州国を国際連盟が認める認めないの決議のとき、唯一棄権票を投じたのはタイだったし、大東亜戦争時もタイは同盟国だった。
だからと言って、彼女や嫁やその彼女系統の家族たちとタッグを組んで、何かしようなどとは思わない方がいい。寝首を掻かれかねない。
ここバンコク、外国なのである。
天皇賞の結果も出ました。たまらなかった。
名牝エアグルーブが出産後、亡くなった。
日本はゴールデンウィークに突入。
僕のアパート近くの日本人街で鯉のぼりがはためいた。
童謡、「鯉のぼり」まで流れていた。
♪おもしろそうに泳いでる~というフレーズを久しぶりに聞いた感じになった。
天皇賞のレースを観賞してカラダは快方に向かっていると思わせている。
フェノーメノ、ゴールドシップ、オルフェーブルと父はステイゴールド。
バンコク滞在10ヶ月になろうとしています。
タイ文字が読めるようになって思うことは、標識にアルファベットでバンコクとは書いてあるが、タイ文字は必ずクルンテープである。
バウハウス、ウルトラボックスの再結成のライブをひつこく見すぎて、ゲップが出始めた時、ブライアンイーノを聞き、心地よさにうたれて寝ていく気持ち良さを知る。
最後に、口の中と喉が痛くて痛くてたまりません。
つば飲むのも恐い、今まさに。
脚部不安に泣かされていたメジロードベルも、家財を質に入れた現状を憂い、来月からの出走を胸に秘めトレーニング積むお姿。